病院で働く看護師は、患者さん一人ひとりの状態に合わせたきめ細やかなケアが求められます。
高齢の患者さんの場合、身体機能や認知機能の低下が見られる場合が多く、コミュニケーションを取る上で、注意しなければならない点がいくつかあります。
ここでは、高齢者のケアにあたる看護師に向けて、高齢の患者さんとのコミュニケーション術を、言葉遣い、対話方法、接し方の3つのポイントに絞って解説していきます。
第一に、高齢の患者さんと接する際は、丁寧で分かりやすい言葉遣いを心がけましょう。
専門用語や難しい言葉は避け、ゆっくりと、はっきりとした口調で話すことが大切です。
また、高齢の患者さんは、耳が遠い場合もあるため、大きな声で話すように心がけましょう。
ただ、単なる大声で話すと威圧感を与えてしまう可能性もあるため、声の出し方にも注意が必要です。
高齢の患者さんと対話をする際は、しっかりと患者さんの名前を呼ぶようにしましょう。
そして、患者さんの目を見て、笑顔で接することで、安心感を与えることができます。
患者さんが話している時は、相づちを打ったり、頷いたりしながら、真剣に話を聞いている姿勢を示すことが重要です。
高齢の患者さんは、看護師側とは世代が異なります。
当然、知っていることや価値観も違うものです。
そこを理解したうえで、昔の話や高齢者世代に人気の趣味の話など、患者さんが喜びそうな話題を用意しておきましょう。
相手の好きなことを掘り下げることで、より良好な関係を築くことができます。
会話の中で、患者さんの価値観や考え方を理解しようと努めることも、ケアに良い影響を与えます。